「食欲がわく」と利用者にも好評、ソフト食を本格的に導入

一見普通食のようですが、口への取り込み・食塊形成・飲み込みがしやすいように調理されたソフト食。活動施設のなかでも導入を検討しているところが増えています。今年度より本格的に導入した博愛の園では、個々の食材をだしや調味料・粉末のゲル化剤と一緒にミキサーにかけてペースト状にし、それを成型したものを提供しています。ソフト食の取り組みについて担当オンブズマンが紹介します。

施設とのミーティングで食事が話題になったとき、ソフト食の話になり、以前から関心があったので私たちはさっそく昼食をはさんだ時間帯に訪問し、試食させていただいた。見た目・香り・味もよく、メニューどおりそれぞれの食器に盛り付けられていて、抵抗感なく食べられた。「食事はまず目から」というが、キザミ食やミキサー食とは異なり、食材そのものの味がはっきりとしていて、「食を味わう」という感じがした。とくに、きゅうりの酢の物は絶品であった。

ソフト食は病院の食事改善として研究されたのが始まりだそうで、高齢者施設でも少しずつ取り入れられて広まってきたとのことである。

食に関してこだわりのある同施設では、昨年から取り組みを開始。厨房部門を委託から直営にしたのを機に、今年度から本格実施している。

「“食事は楽しみであり、食欲のわく内容でないといけない”と、味はもちろんのこと、香り・形・色を大切にしたいと考えている」とのこと。ミキサー食やキザミ食を食べていた人を、徐々にソフト食に変更。提供のしかたも、全メニューをソフト食にするのではなく、個々人の咀嚼力・嚥下力に応じて、食べにくい根菜類のみをソフト食にするなど工夫している。70名のうちソフト食は現在17名。12名前後のユニットで平均2〜3名といったところだ。

「実施にあたっては、関連する医務・厨房部門との連携が大切で、介護部門と理解しあい、協力体制をつくってきた」と管理栄養士の青木さん。食事の時間は看護師も一緒に介助し、事故のないように気をつけ、施設全体で取り組みを進めている。

ソフト食を食べている利用者の1人に話を伺うと「食材そのものの味がついていて、見た目もよく、食べやすい。ミキサー食よりは食欲が出てくる」とのこと。費用は普通食と同額の1日1380円だ。

「生きること」は「食べること」から始まる。「食事を楽しいものに」と、常に前向きに取り組んでいる施設に拍手を送りたい。

オンブズマン柏尾英子・崇嶋幸子
イベント時に提供される彩豊かなソフト食の「博愛弁当」
イベント時に提供される彩豊かなソフト食の「博愛弁当」
(2011年7月)