『O-ネットの本』に新たな2冊が加わる

3月に完成した2つの冊子『至言・名言介護施設で出会いました』と『2012年度オンブズマン事例分析』。会員の皆様にお渡しするとともに、ホームページやマスコミを通して一般にもPRしています。どちらもオンブズマン活動から生まれた、O-ネットならではの冊子。図書販売にも力を注いでいきます。

50言のつぶやき集める

『至言・名言介護施設で出会いました』は企画から3年の年月を経てようやく完成した逸品です。原稿作成やレイアウトに手間取りましたが、オンブズマンが施設で出会った利用者の言葉、50言を活動報告書などから集めて編集しました。含蓄ある言葉、スパイスの効いた言葉、ユーモアあふれる言葉など、オンブズマンが聴き取った利用者のリアルな言葉が、その背景や受け手であるオンブズマンの感想とともに、いきいきと綴られています。

なかには「どろどろ食はイヤ。食べるのは私です」といった言葉も。家族の希望ではなく、介護の直接の受け手である「自分」の希望を尊重してほしいという強烈なメッセージがあらわれています。

「廊下には出ないようにしている。他人の悪口聞くのはイヤだから」というように、円滑に施設生活を送るための知恵に触れる言葉もあります。

大阪の高齢者らしく、「(身体は不自由でも)口で歩いています」「わしの心20℃や。ふところがさみしい」など、笑いを誘う言葉もみられます。

利用者の話し相手になり、なじみの関係をつくりながら活動する、O-ネットのオンブズマンだからこそ聴き取れた貴重な語録。「大変興味深いので、知り合いにも紹介したい」と、読者からさらなる購入も相次いでいます。

12年度の活動を集約

『2012年度オンブズマン事例分析』は、12年度のオンブズマン活動を集約したもの。特養・有料老人ホーム・ケアハウスの計46施設における事例797件を分析しています。事例を介護内容などソフト14項目、生活環境のハード2項目に分け、項目ごとに特徴や顕著な具体例をまとめています。

12年度は全体的に事例の改善率が向上。11年度の70%に対して、84%と大幅な伸びがみられました。

一方で、拘束に関する項目は改善率50%と全項目の中で最も低く、解決が難しい課題になっています。

また、排泄介助では、放っておくとトラブルが深刻化したり虐待につながったりしかねない事例が今回初めて2件報告されました。どちらの事例も、利用者は家族に伝えているものの、家族から施設へ苦情として挙げられることはありませんでした。そうした点で、第三者であるオンブズマンが活動する意義と、不適切ケアを未然に防ぐ役割の重要性を、実感する機会となりました。また両事例を通し、継続して活動することの大切さも改めて感じることとなりました。冊子は読売新聞・産経新聞でも紹介され、購入の申込も寄せられています。


ドーンセンター・セミナー室で行われた基礎講座

O-ネットでは、4月10日、第15期オンブズマン養成講座を開講しました。講座は、基礎講座・体験実習・演習の3つの柱で構成。5月末までの2か月間で修了するスケジュールとなっています。

例年は6月に開講していた養成講座。より多くの市民に講座の開講を知っていただきたいと考え、新しく物事に取り組むことが多い4月に開講時期を変更しました。受講生の中には「3月に退職したばかり。何かボランティア活動を始めようと思っていた」という人もあり、狙いは当たったと言えます。

会場も基礎講座はドーンセンターを利用。地の利の良い公共施設を使用することによって、利便性を高めました。

3月に読売新聞のコラムに、4月には朝日新聞生活面で紹介されたこともあり、問い合わせが殺到。受講生は40人(女34人、男6人)に上りました。他にはないユニークな活動だけに、松山、那智勝浦、綾部など、遠方からの受講生も少なくありません。また、オンブズマンの紹介による受講生も3人ありました。

現在、活動施設・オンブズマンの協力のもと、体験実習に順次参加している受講生たち。5月末の演習を経て、新しい仲間が今後オンブズマンに加わります。

(2014年7月)