活動施設との懇談会を開催

O-ネットでは2月12日、活動施設関係者との懇談会を3年ぶりに開きました。施設からは10施設の関係者が参加。O-ネットからは副代表・事務局員・月例会リーダーの7名が出席しました。

最初に、14年度のO-ネットの主な活動について堀川世津子事務局長が説明。そのなかで冊子『至言・名言介護施設で出会いました』が新聞で取り上げられたことにも言及しました。「冊子を購入した読者の多くは、施設で暮らすことを自分の近い将来のこととしてとらえている。そうしたなかで“施設の暮らしを知り、主体性を持って暮らしている人から何かのヒントを得たい”という思いが大きな反響につながったのではないかと考えている」と話しました。

施設の関係者からは、オンブズマン活動に関する感想が寄せられました。とくに、オンブズマンが利用者の話にじっくりと耳を傾け、声を伝えていることを評価する声が多くありました。また「介護は専門外という人の意見・考え方を聞けるので新鮮」という声も。半面、「湿度を毎回チェックするなど、生活環境に関することばかり言われるのは困る」といった意見も出ていました。

懇談会では『至言・名言』も話題に上げました。施設職員からも心に響いた利用者の声を募り、冊子の第2弾ができればと思うというO-ネットの提案に対し、「自施設から10件以上出せると思う」「イラストなどを入れると、もっと読んでもらいやすくなる」という声も。「一般の人に読んでもらう冊子にするのか、介護職員向けなのか、冊子作りにあたっては、方針を明確にする必要もあるのではないか」といった意見もありました。これらの声も参考にO-ネットでは今後取り組みを進めていきます。


先輩オンブズマンに聞く

活動で心がけていることや継続のコツ

15年目に入ったオンブズマン活動。現在、新人24人を含む84人が施設を訪問しています。オンブズマン活動は、介護保険制度や施設介護の動きに一定の知識を持ち、利用者・施設との対話を図りながらの高度なボランティア活動。そこに意義を感じ、長年続けている人も少なくありません。そんなオンブズマンの中から4人に電話取材を行い、日々の活動で心がけていることや継続のコツを伺いました。15期生にとって参考になるコメントも多いのでは…。

「利用者との話し合いで心がけていることは?」との問いに、4人とも異口同音に「しっかり目線を合わせて話を聴くこと」と回答。とはいえ、中腰になって目線を合わせるのはつらいときも。岡本芳樹さん(5期生)や本田幸八さん(8期生)は、1期生の磯崎清さんが勧める「アウトドア用の小さな折り畳み式椅子」を携帯しているそうです。「これがあれば、利用者も気がねなく話をしてくれる。表情もつぶさに見てとれます」

スキンシップを図りながら「よく働いてこられたのでしょうね」「戦争の頃は苦労なさったでしょう」といった問いかけをすることで表情が緩み、昔の話をしてくれる人も少なくありません。「苦情要望ばかり引き出そうとするのではなく、その人の生きてこられた道に触れようとすることが、聴き取りを豊かなものにしてくれます」と語るのは宇都宮和子さん(3期生)。言葉が十分に聴き取れないこともありますが、「全部を聴き取ろうとしてギブアップするのではなく、断片的に聴き取れる繰り返し出てくる言葉から思いを汲みとっている」と坂東美子さん(8期生)も話します。

その他、利用者の顔と名前を覚え、スムーズな対話につなげるために「訪問前に、名前や特徴・これまでに聴き取った話などを記したノートにざっと目を通す」「活動を始めて4〜5年は個人カードを作っていた」という人も。そうした工夫も有効なようです。

施設との話し合いでは「施設を信頼し尊重するのが大前提」「施設のいいなと思える点もきちんと伝える」と、この点も4人の意見は同じでした。

「“ダメでしょう”といった決めつけた言い方はしない」(坂東さん)、相手を見ながら「何を伝えるか的を絞って話す」(本田さん)、「どこまで言うべきか、考えながら臨む」(岡本さん)など、立場が違うだけに、物の言い方や進め方にも冷静な判断力が求められます。ともあれオンブズマンに求められるのは、施設を理解しながらも、施設とは違う立場からの市民の知恵や考え方。そのためにも、つかず離れずの関係づくりが望まれます。

「継続するために心がけていること」では「健康管理と、自分を客観的に見るよう意識して努めること」と岡本さん。本田さんは「大事な活動だから、自分の生活の中でも上位に置き、無理なくスケジュールが組めるよう考えている」とコメント。以前は仕事もしながら活動を続けてきた坂東さんは「自分が無理なく訪問できる日を確保したうえで訪問日を決める。そして、決まったら絶対にその日を優先する。その方法でやってきたら続けられた」と話します。

「この施設では発語が難しい人を中心に接していこう、穏やかに暮らしている利用者が多いのはなぜなのか見ていこう…などと、担当する施設ごとに自分なりの目標を立てている。今日は会話したことのないあの利用者に話を伺おう…というように、日々の訪問でも目的をもって活動しています」と語るのは宇都宮さん。マンネリにならないように工夫するのも、継続の大事なコツのようです。

「素敵な多くの人と出会えるのもこの活動の魅力。月例会やセミナーといった学びの場があるのもいい。機構のさまざまな発行物に目を通すことによって活動の全体や介護の世界の動きも把握できる。しっかり読んで自分自身の活動を深めてほしい」。本田さんからそんな貴重なアドバイスもありました。

(2015年1月)