市民講座を開催『“もしも”のとき慌てないために』

O-ネットでは1月11日・15日・17日の3日間、市民向け連続講座『“もしも”のとき慌てないために〜高齢者の暮らしとケアを考える〜』を開きました。この講座は大阪市教育振興公社の助成を受け、平成24年度大阪市生涯学習ネットワーク事業の一環として行った取り組み。講座期間中は木枯らしが舞う厳しい冷え込みが続きましたが、毎回30〜40名、3日間で延べ106名の参加がありました。

1日目の「いざとなって慌てない“自分らしい高齢期の暮らし”」で講師を務める篠ア敦子さん。

大阪市生涯学習ネットワーク事業は、市民主体の学習活動を進めるため、市民グループやNPOが企画する学習講座を支援し、地域の教育力を高めようというもの。O-ネットは21年度・22年度も助成を受けた実績があります。

今回の連続講座『“もしも”のとき慌てないために』は、「老前整理」「エンディングノート」「さまざまな高齢者施設の概要と費用」など、高齢期を迎えた市民にとって関心の高いテーマを盛り込んで企画。NPOや研究グループの関係者が講師となることによって、知識・情報の提供だけでなく、高齢期の暮らしや選択に役立つ情報を得るためのボランティア活動や仲間づくりの有用性についても伝える機会としました。

1日目の「いざとなって慌てない“自分らしい高齢期の暮らし”」は、消費生活アドバイザーコンサルタント協会西日本支部「高齢社会を考える会」会員の篠ア敦子さんが講演。「予想と現実は必ずしも一致しないが、現実を受容し、状況によって柔軟に自分の生き方・暮らし方を変えていくことが望まれる。そのためには情報を収集し選択肢をもつことが必要」と話しました。

2日目は「元気なうちに備える」をテーマに2人の講師が講演。ニッポン・アクティブライフ・クラブの企画室長・早野矢須男さんはエンディングノートについて紹介しました。「医療や介護、葬儀について、自分の希望を記しておくエンディングノートが注目され出した背景には“最期を自分らしく締めくくりたい”“自分の思いを伝えておきたい”“残された家族が混乱なく対応できるように”といった思いがあるから。死をタブー視することも減ってきた」と早野さん。「ノートの全項目を埋める必要はない。書けるところから書いてみて。絶対してほしくないことを書き残すのも一つの方法です」

また、O-ネットのオンブズマンで、泉北ホスピスを進める会ウイルの会員でもある宇都宮和子さんは「一人暮らしで認知症になったら…」というテーマで講演しました。65歳以上の10人に1人は認知症という現実を踏まえ、「これからは認知症になることを想定しての準備が必要になる。自分の場合、親しい人に“認知症になったら故郷の妹に連絡して”と伝えている。何回でも書き直せる簡単な遺言書も用意した。施設に入るだろうから今後持っていくものも厳選していくつもり。ただ、認知症になってもありがとうと言える“感謝力”だけは消えないでほしいのだが」と語りました。

3日目は「施設を見る目を育てよう」がテーマ。O-ネット理事で消費生活アドバイザーの川上正子さんが、特養・有料老人ホーム・グループホーム・小規模多機能型居宅介護事業所について、特徴や費用、食事・入浴など生活シーン別の違いを解説しました。またオンブズマンの小林加代子さんが、施設で暮らす人々の心情や施設介護の「中身」を知ることができるオンブズマン活動の醍醐味を紹介。「単発ではなく、継続して介護現場を見ることによって施設を見る目を養うことができる」と話しました。

熱心な参加者が多く、3回連続受講者は31人に上りました。